和水町には令和元年12月現在、合計32件の指定文化財があります。
指定別の内訳は、国指定5件、県指定10件、町指定17件です。
内容は、添付の一覧のとおりです。
江田船山古墳
5世紀後半に造られた墳長62mの前方後円墳です。
明治6年(1873)に地元の地権者によって発掘され、非常に豪華な副葬品が見つかりました。
金製・金銅製の装身具や鏡、6面の鏡、武具、馬具など多くの副葬品の中でも、日本古代史上極めて重要と考えられているものとして、銀象嵌銘大刀があります。残存長91cmの大刀には、峰(刃と反対側の狭い面)に75文字が銀で象嵌され、倭の五王の最後の人物とされる雄略天皇(ワカタケル大王)の名や、墓の主と考えられる无利弖(ムリテ)、作刀した伊太和(イタワ)、文字を記した張安(ちょうあん)の4つの人名が刻まれ、この大刀を持つ者の権利を保障する内容が記されています。固有の内容を記した古い言葉として、古代史を研究する上でも貴重な文化財です。
現地では、家の形をした石棺の実物を見学することができます。
塚坊主古墳(装飾古墳)
6世紀初頭に造られた墳長43.4mの前方後円墳です。
江田船山古墳と同じ墓域(清原古墳群)に造られており、江田船山古墳の主の直系の子孫の墓と考えられています。
中には横穴式石室が作られ、石室の一番奥に、石屋形という家形の棺を安置しています。
特記すべきものとして、石棺の内側3面に、赤と白で、丸、三角、ひし形の装飾文様が描かれています(装飾古墳)。
残念ながら盗掘を受けており、主だった副葬品は確認できていませんが、小さな鏡や馬具などが見つかっています。
通常は保護のために施錠していますが、年に2回の熊本県内一斉公開、8月の古墳祭などで、中の装飾を見学することができます。
展示施設
和水町で文化財を展示しているところは2か所あります。
和水町歴史民俗資料館
隣接する江田船山古墳公園にある国指定史跡「江田船山古墳」から出土した副葬品(国宝)のレプリカ展示を中心に、町内から出土した文化財や、企画展を行っています。
国宝に指定されている銀象嵌銘大刀などの出土品は東京国立博物館に保管・展示されているため、精巧なレプリカを作製して展示することで、古墳時代の地方豪族であった江田船山古墳の主が持っていた豊かさと権力を伝える展示内容です。
住所 熊本県玉名郡和水町江田302(肥後民家村内)
営業時間 AM9時00分~PM5時00分(入館はPM4時30分まで)
入館料 無料
休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)
12月26日~12月31日
駐車場 無料Pあり(江田船山古墳公園の駐車場をご利用ください。)
田中城ミニミュージアム
旧春富小学校跡地(学校の一室)を利用したミニミュージアムです。
ミニミュージアムの近くにある国指定史跡「田中城跡」のガイダンス施設として、史跡の概要をわかりやすく説明しています。
田中城跡とは、肥後の国衆と呼ばれる地方豪族の一人である和仁(わに)氏の居城で、豊臣秀吉が九州を制圧した天正15年(1587)に勃発した肥後国衆一揆においては、戦いの中で最後の砦の一つになった激戦地です。
展示では、戦いの様子をプロジェクトマッピングでリアルに紹介するほか、田中城跡から出土した遺物や、現地から切り取った製鉄炉跡などを展示し、古代から中世の地域の歴史をご紹介します。
また、タッチモニターでは、和水町の様々な文化財や田中城の再現CGを見ることに加え、女性の目線から中世の戦いを見た映画『おんな国衆一揆』(三池崇監督制作、放映時間約60分)を観ることもできます。
詳しくは、添付のチラシをご確認ください。
住所 熊本県玉名郡和水町和仁781番地(旧春富小学校内)
営業時間 AM10時00分~PM4時00分 (最終入館はPM3時45分となっておりますのでご注意ください。)
入館料 無料
休館日 毎週火曜日(火曜日が祝日の場合はその翌日)
12月26日~1月4日
駐車場 旧学校グランド内に無料Pあり(大型バスは、道向かいの春富体育館駐車場をご利用ください。)