○和水町文化財保護条例
平成18年3月1日
条例第86号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)及び熊本県文化財保護条例(昭和30年熊本県条例第20号。以下「県条例」という。)の規定に基づき、法及び県条例の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、町の区域内に存するもののうち、町に重要なものを指定して、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の発展に貢献することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。
(財産権等の尊重及び他の公益との調整)
第3条 和水町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の適用に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(指定)
第4条 教育委員会は、町の区域内に存する文化財(法及び県条例の規定により指定されたものを除く。)のうち、町にとって重要なものを和水町指定文化財(以下「町指定文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定による指定をしようとするときは、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする有形文化財、民俗文化財及び記念物の所有者及び権限に基づく占有者が存するときは、その者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権限に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。
3 第1項の規定による指定をしようとするときは、教育委員会は、あらかじめ和水町文化財保護審議会に諮問しなければならない。
(告示、通知及び指定書)
第5条 前条の規定による指定は、その旨を告示するとともに、所有者、権限に基づく占有者及び保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあっては、その代表者)に通知する。
2 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物を指定したときはその所有者に指定書を、また、無形文化財を指定したときは保持者又は保持団体には認定書を交付するものとする。
(解除)
第6条 町指定の文化財が町の区域内に存在しなくなったとき、又は町指定文化財としての価値を失った場合その他特殊な理由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 町指定文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でないと認められる場合その他特殊な理由があるときは、教育委員会は、保持者の認定を解除することができる。
3 町指定文化財の保持者が死亡したときは、保持者の認定は解除されたものとし、又は保持者のすべてが死亡したときは、町指定無形文化財の指定を解除し、その旨を告示しなければならない。
4 町指定文化財について国又は県による指定があったときは、当該町指定文化財の指定は解除されたものとする。
6 町指定文化財の解除の通知を受けたときは、指定書を速やかに教育委員会に返付しなければならない。
(管理)
第7条 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の所有者は、この条例並びにこれに基づいて定められる教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、当該町指定文化財の管理の責めに任ずベき者(以下「管理責任者」という。)を選任し、管理に当たらせることができる。
2 前項の規定による責任者を選任したときは、当該管理責任者と連署の上、速やかに教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任する場合も同様とする。
3 第1項の規定による所有者又は管理責任者は、正当な理由なくしてその管理及び管理のために必要な措置を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。
4 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の管理に要する経費は、この条例に定めるもののほか、所有者の負担とする。
(所有者又は管理責任者の変更)
第8条 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の管理責任者を変更したときは、所有者は、新管理責任者と連署の上、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失又はき損)
第9条 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の全部又は一部が滅失し、若しくはき損したとき、若しくはそのおそれがあるとき、又は町指定文化財の全部又は一部を亡失し、若しくは盗み取られたとき、若しくはそのおそれがあるときは、所有者(管理責任者がある場合はその者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(住所の変更)
第10条 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合はその者)は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(土地の所在等の異動)
第11条 町指定記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者(管理責任者がある場合はその者)は、速やかに教育委員会に届け出なければならない。
(現状変更の制限)
第12条 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。
2 教育委員会は、前項の許可を与える場合、その許可を条件として現状の変更に関し必要な指示をすることができる。
(管理又は修理、復旧に関する勧告)
第13条 町指定の有形文化財、民俗文化財又は記念物を管理するものが不適任なため、又は管理が適当でないため、当該町指定文化財が滅失し、き損し、又は盗みとられるおそれのある場合は、教育委員会は、所有者及び管理責任者に対し管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
(修理の届出)
第14条 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物を修理しようとするときは、所有者は、あらかじめ教育委員会に届け出なければならない。
2 指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の保存上必要があると認められるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言を与えることができる。
(環境保全)
第15条 教育委員会は、町指定の有形文化財及び記念物の保存のため必要があると認めたときは、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設を設置するよう勧告することができる。
(調査及び報告)
第16条 教育委員会は、必要があると認めるときは、町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の所有者又は管理責任者の同意を得て、当該町指定文化財を調査することができる。
2 教育委員会は、必要があると認めるときは、町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の所有者又は管理責任者に対し、管理の現況又は修理、復旧若しくは環境保全についての報告を求めることができる。
(公開・出品)
第17条 教育委員会は、教育委員会が行う公開の用に供するため、町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の所有者に対しその出品を、町指定無形文化財の保護者に対してその文化財の公開を、町指定無形文化財及び民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を求めることができる。
2 前項に規定する場合のほか、町指定文化財を公開し、又は出品しようとするときは、教育委員会の承諾を受けなければならない。
3 第1項の規定による出品のために要する費用は、町の負担とし、予算の範囲内でその全部又は一部を負担することができる。
(保存)
第18条 教育委員会は、町指定無形文化財のうち、価値の高いもので衰亡のおそれのあるものについては、その保存に当たることを適当と認めるものに対し資材の斡旋その他適当な助成を講ずることができる。
(補助)
第19条 町は、次の各号のいずれかに該当する場合は、その経費の一部に充てさせるため、予算の範囲内において補助金を交付することができる。ただし、この場合、教育委員会は、補助の条件として必要なことを指示し、又は必要があると認めるときは、これを指揮監督することができる。
(1) 町指定有形文化財、民俗文化財及び記念物の修理若しくは復旧又は管理に当たって多額の経費を要し、所有者がその負担に耐えない場合
(2) 第13条の規定による勧告に基づく措置のため、経費を要する場合
(3) 前条の規定による助成を行う場合
2 前項の規定により補助金の交付を受けたものが条例に基づいて付した条件に違反したときは、町は、当該所有者に対して、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。
(有償譲渡の承諾)
第20条 町指定の有形文化財、民俗文化財及び記念物の所有者は、この条例に基づいて行われた補助金に係るその文化財の修理又は復旧がなされた後において、当該町指定文化財を有償で譲り渡そうとするときは、教育委員会の承諾を得なければならない。
(委任)
第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年3月1日から施行する。